【軽貨物】自動車保険が大幅値上げ! 原因と対策は?
こんにちは、ロジネクトです。
軽貨物の自動車保険(任意保険)の保険料が大幅に値上がりしています。
なぜ大幅値上げとなったのか、軽貨物ドライバーとしてどのように対応していくべきかについて考えてみます。
1.事業用の自動車保険は、もともと自家用より高い
運転免許をお持ちの方であればご存じの通り、法律で契約が義務付けられている「自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)」と、任意で契約する「自動車保険(任意保険)」があります。自賠責保険は、自動車の保有者および運転者が他人を死傷させた場合の損害賠償のみ補償され、支払われる保険金には死亡で3,000万円、傷害で120万円までなどの限度額が設けられています。相手の車の修理費、自分の車の修理費や運転手のケガなどをカバーしたい場合は、任意保険をかけておく必要があります。任意保険への加入を荷主が発注条件にしている場合もあるので、任意保険も入るのが通常です。
これまでも軽貨物(黒ナンバー)の保険料は、事業用ということで自家用車(黄色ナンバー)と比べると2~3倍高い傾向にありました。
2.2025年1月「型式別料率クラス」の細分化
自動車保険の保険料は、補償内容や等級など様々な要素で決まります。例えば、補償内容が手厚ければその分高くなります。無事故で等級が高ければ保険料は安くなり、事故を起こせば保険料は高くなります。そうした様々な要素の一つに、保険対象の自動車の型式ごとに設定される「型式別料率クラス」があります。
型式別料率クラスは損害保険料率算出機構(損保会社各社が集まって組織された団体)が算出する値で、その保険料の算出根拠として「型式別料率クラス」というものがあります。車検証に記載されている自動車の型式(かたしき)ごとに保険料率を設定するものです。毎年、すべての損保会社のデータを集めて型式ごとの事故損害率を算出し、その損害率に応じて料率クラスを決定しています。このため、同一の型式の自動車での事故が多いと、自分自身は1年間無事故で等級が上がったとしても、次の更新時の保険料が上がってしまう場合があります。
近年、軽貨物で使用する黒ナンバー車両は、事故の発生件数が急増しています。このため、軽貨物の自動車保険料は年々上昇傾向にありました。そして2025年1月、軽自動車の型式別料率クラスが3段階から7段階に細分化されました。これにより、車種ごとのリスクがより細かく反映され、事故が少ない車種の保険料は下がりやすくなりましたが、事故を起こしやすい車種や安全装備が少ない車種の保険料が上がりました。最も保険料が高いクラスと最も安いクラスの差が1.2倍から1.7倍に拡大し、軽貨物でよくつかわれる車種の保険料は一段と値上がりすることになりました。
3.2025年10月~2026年1月の保険料引き上げ
そして、大手損保各社は2025年10月から2026年1月にかけて、自動車保険(任意保険)を平均6~8.5%引き上げると発表しました(日本経済新聞2025年8月28日付)。具体的な引き上げ率は用途や車種によって異なりますが、軽貨物においては新規の契約で3割アップという状況も起きております。
保険料引き上げの理由は、①修理費の高騰、②自動車修理工場の人件費高騰などがあります。さらに軽貨物の場合は、コロナ禍以降の軽貨物市場拡大による車両増加・事故件数の急増による保険金支払いから、大幅な保険料引き上げとなった模様です。
この結果、2年ほど前は新規で契約する自動車保険は月額1万数千円~2万円くらいであったものが、現在では月額3万円を超えることが珍しくなくなってきています。
4.どう対応するべきか
自動車保険料は軽貨物ドライバーにとっては不可欠な経費であり、ここまで述べたような値上がりは大きな負担となります。ドライバー個人ではどうにもできない部分も多いですが、せめて自分自身で出来ることとしては次のようなことがあります。
▼契約条件(補償内容)の精査、相見積をとって比較
対応の一つとしては、補償内容を出来るだけ必要な分に絞っていく、ということです。様々な特約の要不要も細かく検討していきましょう。ただし、荷主から補償内容(例えば、対人対物無制限など)を指定される場合もあるので、荷主からの発注条件も予め確認しておきましょう。
また、複数の損保会社から相見積をとって比較することで、同一条件でも少しでも安いところを探すのも一つの方法です。
▼事故を起こしたときに保険を使うかどうかを精査
事故を起こしてしまったときに、保険を使用するかどうかも都度検討したほうが良いでしょう。軽微な事故で保険を使わなくても、自力で損害賠償できるのであれば、保険を使わないで処理するという方法もあります。保険を使わなければ翌年の等級ダウンは避けられます。
ただし、相手のケガや相手の車両の修理がある場合は、治療費や修理代は高額になりますし、相手方との連絡や相手方の保険会社との交渉もあるので、お相手がいる場合は保険を使わざるを得ないでしょう。
ですので、相手がなく、単独で自分の車両だけが損傷した場合に保険を使うかどうか、という場面が多いと思います。事故が起きた場合、最終的に保険を使って処理するかどうかを決めるにあたっては、保険を使ったら翌年以降の保険料がどのくらい上がるか、保険会社からシミュレーションを出してもらえますので、確認することをお勧めします。
▼なにより事故を起こさない
言うまでもないことですが、事故を起こさないに越したことはありません。速度超過はしない、車間距離をしっかりとる、急発進・急ハンドル・急ブレーキをかけない、後方確認を怠らないなど当たり前のことばかりですが、配達で忙しくなると注意が散漫になりがちです。
何回も事故を起こしてしまい、そのたびに保険を使っていると、保険料が毎年上がってしまうだけでなく、等級が下がりすぎると保険会社から契約を断られてしまう、という事態も起こり得ます。
軽貨物ドライバーの中にも、残念ながら毎年のように事故を起こす方もいれば、どれだけ忙しくても何年間も無事故という大変優秀なドライバーさんもいます。プロ意識をもって安全運転を心がけましょう。
* * *
ロジネクトは金沢エリアで長年の経験と実績を積んでおります。
また、全国規模の軽貨物事業フランチャイズグループに加盟しており、幅広いネットワークのなかで情報交換する中から、円滑で高品質なサービスご提供のための様々なノウハウを蓄積しております。
ぜひ、配送ドライバーにチャレンジしてみませんか?
ロジネクトでは年齢・性別問わず、ご応募お待ちしております!
▼詳しい資料については、電子ブックでも確認ができます。
- アーカイブ
- 2025年10月 (1)
- 2025年9月 (1)
- 2025年8月 (1)
- 2025年7月 (1)
- 2025年6月 (1)
- 2025年5月 (1)
- 2025年4月 (1)
- 2025年3月 (1)
- 2025年2月 (1)
- 2025年1月 (1)
- 2024年12月 (1)
- 2024年11月 (1)
- 2024年10月 (1)
- 2024年9月 (1)
- 2024年8月 (1)
- 2024年7月 (1)
- 2024年6月 (1)
- 2024年5月 (1)
- 2024年4月 (1)
- 2024年3月 (1)
- 2024年2月 (1)
- 2024年1月 (1)
- 2023年12月 (1)
- 2023年11月 (1)
- 2023年10月 (1)
- 2023年9月 (1)
- 2023年8月 (1)
- 2023年7月 (1)
- 2023年6月 (1)
- 2023年5月 (1)
- 2023年4月 (1)
- 2023年3月 (1)
- 2023年2月 (1)
- 2023年1月 (1)
- 2022年12月 (1)
- 2022年11月 (1)
- 2022年10月 (1)
- 2022年9月 (1)
- 2022年8月 (1)
- 2022年7月 (1)
- 2022年6月 (1)
- 2022年5月 (1)
- 2022年4月 (1)
- 2022年3月 (1)
- 2022年2月 (1)
- 2022年1月 (1)
- 2021年12月 (1)
- 2021年11月 (1)
- 2021年10月 (1)
- 2021年9月 (1)
- 2021年8月 (1)
- 2021年7月 (1)
- 2021年6月 (1)
- 2021年5月 (1)
- 2021年4月 (1)
- 2021年3月 (1)
- 2021年2月 (1)
- 2021年1月 (1)
- 2020年12月 (1)
- 2020年11月 (1)
- 2020年10月 (1)
- 2020年9月 (1)
- 2020年8月 (1)
- 2020年7月 (1)
- 2020年6月 (1)
- 2020年5月 (1)
- 2020年4月 (1)
- 2020年3月 (1)
- 2020年2月 (1)
- 2020年1月 (1)
- 2019年12月 (1)
- 2019年11月 (1)
- 2019年10月 (1)
- 2019年8月 (1)
- 2019年7月 (1)
- 2019年6月 (1)
- 2019年5月 (2)
- 2019年4月 (1)
- 2019年3月 (1)
- 2019年2月 (1)
- 2019年1月 (1)
- 2018年12月 (1)
- 2018年11月 (1)
- 2018年10月 (2)
- 2018年8月 (1)
- 2018年7月 (1)
- 2018年6月 (1)
- 2018年5月 (1)
- 2018年4月 (1)
- 2018年3月 (1)
- 2018年2月 (1)
- 2018年1月 (1)
- 2017年12月 (1)
- 2017年9月 (1)
- 2017年8月 (1)
- 2017年7月 (1)
- 2017年6月 (1)
- 2017年5月 (1)
- 2017年4月 (1)
- 2017年3月 (1)
- 2017年2月 (1)
- 2017年1月 (1)
- 2016年12月 (1)
- 2016年11月 (1)
- 2016年9月 (1)
